文学作品の著作権などの保護期間が12月30日から50年から70年になる。12月30日はTPP(環太平洋経済連携協定)が、10月31日に6カ国目であるオーストラリアが手続きを終えた(日経新聞10月31日)ので、12月30日の発効が確定した。すでに日本ではTPP関連法案は2018年5月に衆議院で、6月には参議院で可決されている。
TPPは農作物や工業品の輸出入の関税を引き下げるほか、ビジネスのルールを統一する。その一つとして日本の著作物の保護期間についても、著作者の没後50年が20年延びて「70年」になる。
著作権を保持している関係者には有益なことだが、これまで公共財産(パブリックドメイン)として、自由に無料でインターネットで没後50年の作家の作品を読むことができたが。これから自由に読めるであろうと思われた作品が20年後にやっと公共財産になる。
これまでインターネットで多くの作品を公開している「青空文庫」には厳しい。例えば山本周五郎(67年没)や2021年の三島由紀夫(70年没)、2022年の志賀直哉(71年没)なども電子化が困難になる。
青空文庫(収録作品数15070(著作権なし14776、著作権あり294))は<誰にでもアクセスできる自由な電子本を、図書館のようにインターネット上に集めようとする活動>で<著作権の消滅した作品と、「自由に読んでもらってかまわない」とされたものを電子化>して公開している。
■日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37155380R31C18A0000000/
■青空文庫 https://www.aozora.gr.jp/
■著作権情報センター http://www.cric.or.jp/
■日本政府 TPP https://www.cas.go.jp/jp/tpp/about/index.html